サンシャインシティ(東京・池袋)にある古代オリエント博物館(館長:月本昭男)は、2023年度夏の特別展「西アジアのいきもの」を7月15日(土)~9月10日(日)の期間、開催いたします。
私たち人間の生活には生き物の存在は欠かすことができません。今から1万年前の西アジア(※)では、世界に先駆けて、人々が長く一つの場所に住み続け、畑を耕し、山羊などの家畜を飼育する生活が始まりました。その後、多くの人々と物資の集まる都市が築かれ、ついには広い領土を統率する帝国が歴史の舞台に現れました。このような長い歴史の中で、社会とそれをとりまく周囲の環境は変化し、古代西アジアの人々と生き物との関係や結びつきのあり方も時代の流れとともに変わっていきました。
本展は、東京国立博物館やMIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)をはじめ8つの機関と個人の所蔵するコレクション、ならびに古代オリエント博物館の所蔵品から構成。西アジアに由来する動物と植物を表現した作品280点を、実際の動物園のように生き物の生息地や種類ごとに8つの章にわけて展示します。山羊が描かれた彩文土器、馬の形をしたファイアンス製(陶器)の飾り、羊の頭を表現した移動式のかまど、魚の形をした土器、一頭の牝牛を巡って争う二頭のライオンの銀製容器、クジャクのモザイク画など、先史時代から中世にかけての所蔵品を手掛かりに、私たち人間と生き物の関係をめぐる歴史と文化を紹介します。
展示以外にも、西アジアで調査している研究者を招いてのシンポジウムや講演会、各種ワークショップ、豊島区との連携イベントなども予定しています。
※西アジアは、現在のトルコからイランまでのエリアを指します。