2020.01.30 サンシャイン水族館

日本初 孵化成功!「ゾウギンザメ」の赤ちゃん誕生

サンシャイン水族館(東京・池袋、館長:丸山克志)では、日本での展示数が少なく、進化速度が極めて遅い脊椎動物「ゾウギンザメ」を2019年3月から飼育展示しておりますが、この度、日本で初めてとなるゾウギンザメの孵化が確認できましたので、お知らせいたします。

1月27日・28日にそれぞれ1個体ずつ孵化しました。また、その他に3個の卵をバックヤードで飼育しています(1月30日時点)。2019年5月に当館で飼育しているメスのゾウギンザメのうち1個体の産卵が確認され、その後も次々と産卵し、合計18個の卵を産みました。ゾウギンザメの生息地であるオーストラリア南部の水温を参考に飼育水温を12℃と15℃の2パターンに分け、リスク分散および発育の速度を比較しながら育成。5日に1回のペースで胚発生・心拍の有無を調べるためエコー検査を実施しながら経過を見守ってきました。
※産卵したゾウギンザメは当館搬入前に1年以上オス個体との混泳がない状態であったため、過去の交尾で得た精子を長期間体内に保管していたものを使って受精したか、単為発生(交尾をせずに繁殖する)の可能性があると考えられます。

残念ながら15℃で管理していた卵については、胚発生の観察はみられたものの、10月中旬までにすべて胚発生が止まっていることを確認。12℃で管理していた卵のうち2個については今回孵化に至りました。

ゾウギンザメの日本での孵化事例は今までになく、今回の孵化は日本で初めての出来事です。サンシャイン水族館では今後も孵化個体の成長を通して、ゾウギンザメの生態研究やさらなる繁殖に力を入れ、水族館の使命のひとつである生息域外における保全に努めてまいります。