2018.07.19 サンシャイン水族館

台風にも負けず、2年連続、沖縄の海でサンゴの産卵を確認!採卵したサンゴたちはただいまサンシャイン水族館で順調に成長中です

サンシャイン水族館(東京・池袋、館長:丸山克志)は、①沖縄県・恩納村のサンゴをお預かりしてサンシャイン水族館で展示・育成を行い、成長したサンゴを枝打ちして沖縄の海に戻す「サンゴ返還プロジェクト」と、②遺伝子型を確認し、異なる遺伝子で受精させ卵からサンゴを殖ふやす「サンゴ礁再生プロジェクト」の、2つのプロジェクトを継続して実施しています。

サンシャイン水族館の飼育スタッフはサンゴのメンテナンスのため年に数回、恩納村に出向いています。2017 年6 月11 日には、プロジェクトで管理しているサンゴの産卵を初めて確認することができました。

今年も5~6月頃の産卵を予想していたため、5月から海水温の動向を見守りつつ、サンゴの卵の成熟確認を実施。サンゴの卵は骨格の内側で形成され、成熟とともに色味が変化するため、産卵時期の目安が判断できます。産卵の兆候の有無を確認するため、6 月12 日~14 日は毎日18時頃に潜水してチェックを行いました。しかし残念なことに台風が発生し、海が荒れて海中での作業ができないことから、海中で育成したサンゴを陸上の水槽に一時的に収容することを決断。陸上の水槽は海水を掛け流しにしているため環境は海中とほぼ同じで、台風の荒波の影響がないため水槽内での産卵を期待しました。
その結果、6 月15 日の18時頃、サンゴに産卵の兆候が見られ、19 時30 分に産卵が始まりました。サンゴは同じ種類で一斉に産卵することが知られていますが、今回もサンゴの一斉産卵を見ることができました。産卵は30~60 分ほどで終了。その後、回収した卵と精子を受精させる作業を22 時過ぎまで続けました。翌日、受精したサンゴの卵は分裂を繰り返し、順調に成長。約8間かけて空輸にてサンシャイン水族館へ運び、バックヤードの水槽で飼育を開始。1 ヵ月経過した現在も、順調に成長しています。

ハワイ州では2021年よりサンゴ礁への有害性が指摘される物質を含む日焼け止めの販売を禁止する法案が可決されるなど、世界でもサンゴ礁の保全活動が進んでいます。サンシャイン水族館はサンゴ礁の再生を願い、今後も保全活動を継続してまいります。