展示会の効果をはかる! 来場者アンケートの設計法
来場者アンケートは実際会場に来た人のフィードバックですから、展示会でしか得ることのできない貴重な情報です。アンケートによって回答者がリード(見込み客)かどうかを知り、展示会の効果をはかることができるため、営業面だけでなくマーケティング上もアンケート結果は貴重です。ここでは回答率が高く、ターゲットの本音が引き出せるようなアンケートの設計法についてご説明します。
アンケートを行うべき理由
そもそも、なぜ来場者アンケートが重要なのでしょうか? その理由は大きく2つあります。
1つめは、アンケートによって「獲得した名刺中の有効数」がわかるからです。回答者の中に商談につながる可能性のある「ホットリード」や、将来的にビジネスに結びつきそうな「ポテンシャルリード」がどれくらいいるかを見れば、展示会がビジネス的に有効だったか否かを判定できます。ホットリードに関しては展示会後すぐにアプローチし、ポテンシャルリードに対しては継続的にフォローしてチャンスを狙うことで、将来的にビジネスへ繋げていくことができます。
2つめとして、基本的にビジネス目的で会場に足を運ぶ来場者たちに対しての、マーケティング的に絞り込んだデータが取れることが挙げられます。展示会にはテーマがあり、アンケートを見ればテーマに対してどのような来場者が集まるのか、どんなニーズを持っているのかを知ることができます。その結果は、直接ビジネスに結びつかなくとも、商品開発や販売促進に活かすことが可能です。
アンケート設計のポイント
アンケートを設計するときは、「回答率を上げる」、「回答者を判別する」、「データ化できる情報を取る」、という3点に留意するのがポイントです。
無駄な情報は書かせない
限られた時間で多くのブースを回る来場者は、時間を惜しみます。アンケートは項目を絞り込み、必要最低限を聞くのがポイント。質問数が少ないほど、回答率は上がります。質問は記入式でなく選択式にしましょう。選択式にすることで回答者の負担を減らすと同時に、レポートも作成しやすいです。
属性を漏れなく把握できるようにする
年齢や性別、会社名、役職など回答者の属性は、しっかりとわかるように設問します。
[属性を問う設問の例]
Q:お客様の職種を教えてください。
□営業 □設計・デザイン □マーケティング □事務 □販売
□商品開発 □広告・販促 □バイヤー □製造・生産 □品質管理
[決裁権の有無を聞く設問の例]
Q:お客様の役職名を教えてください。
□一般職 □担当 □係長 □課長
□部長 □役員・取締役 □経営者
大事な点は、回答者に「その他」と書かせないように回答項目を設定すること。似たような選択肢は回答者が迷うので、項目を絞り込むことも大切です。
個人情報の扱いについて明記しておく
個人情報の記載欄がない方が回答率は上がりますが、リードの獲得を考えると個人情報は必須です。個人情報に関しては扱いを明記するとともに、営業が適宜フォローすることもアナウンスしておきます。
記入時のシチュエーションを残せるようにしておく
後からアンケート用紙だけではわからない部分をフォローできるような工夫をします。
例えば「〇〇に興味あり」「店舗拡大予定」など営業担当者のコメントを残して管理すると、情報の精度が上がります。
アンケート調査はあくまで参考情報
来場者アンケートを実施したら、結果を営業にフィードバックしてリード企業にアプローチする一方でレポートを作成し、商品開発や販促に活用します。ここで注意したいのは、アンケート結果はあくまで参考としてみるべきということ。ニーズ把握の上でアンケート結果は貴重な情報源ですが、それだけを判断材料にして次の企画を立てるのはリスクがあります。来場者のニーズや志向が、世間一般の情報と必ずしも一致するとは限りません。
展示会に参加するには、相応の費用と人員がかかります。費用を無駄にしないためにも的確なアンケートを行って展示会の効果をきちんとはかり、次のビジネスに繋げることが重要です。