見本市とは? その定義と、展示会との違い

見本市とは? その定義と、展示会との違い

世界の展示会を取り扱うJETRO(日本貿易振興機構)などでは、展示会を「見本市・展示会」と、併記して表現する場合が少なくありません。「見本市」がどういう定義のイベントなのか、「展示会」との違いは何かをトータルに解説します。

見本市とは

文字通り、見本を展示して売買の商談をとり行う期間限定の“市”を見本市と言います。実際に売買が行われる場ですから、原則として来場者はバイヤーなどビジネス関係者に限定されます。見本市は単発のイベントではなく、毎年同じ会場で継続して行われるのが普通です。欧米における見本市の歴史は、古く100年以上開催され続けている見本市も少なくありません。歴史のある見本市になるとそれ自体が権威であり、参加者が数千にも及ぶ巨大なスケールになります。

海外の著名な見本市の例

  • アンビエンテ(独)世界最大の生活消費財見本市
  • フランクフルト書籍見本市(独)世界最大の出版に関する見本市
  • エレクトリック・エンターティメント・EXPO(米)通称E3世界最大のコンピュータゲーム見本市
  • メゾン・エ・オブジェ(仏)雑貨のパリコレ etc.

展示会との違い

見本市と展示会の違いは、英語表記を見ると明らかです。見本市を表す英語はTrade ShowもしくはTrade Fairで、「Trade(売買)」という文字がついています。これに対して展示会は単なるShow、Fair、もしくはExhibitionという表現になります。つまり展示会は、「Exhibit(展示する)」つまり見せることに重点を置いたイベントということになります。
とはいえ展示即売会もありますし、売買取引の場として設定される展示会も少なくないので、JETROなどでは「見本市・展示会」と並列して表記しています。

見本市のメリット

見本市(中でも国際見本市)は、一般に見られる展示会に比べると参加者が多く、規模が巨大です。まさにそのスケールが、見本市のメリットを生んでいます。

主催者のメリット

同じ時期に、同じ場所で、継続して見本市を開催し続けることで、業界バイヤーに認知され、固定客として来場してもらえるようになります。見本市がブランド化すると、出展者も増加します。開催期間は来場者だけでなく、出展関係者やスタッフなど多人数が一堂に集まるため、交通、宿泊、飲食、遊興などさまざまな経済効果を生み出します。

出展者のメリット

見本市には業界のバイヤーや関係者が多数集まります。見本市へ出展することで、1社1社アプローチするよりも遥かに効率良く、多数の相手と商談することができます。資金力のない企業や無名の企業でも、商材が良ければ一流企業からのオファーを引き寄せることも可能です。著名な見本市の場合は出展審査があるので、出展自体をブランディングすることもできます。

参加者のメリット

見本市には業界関係企業が数百、数千という規模で出展します。多忙なバイヤーやビジネスマンにとって見本市は、各社の商品や技術を一度に比較検討することができる絶好の機会です。見本市に合わせて新製品や新規技術を発表する出展者も多いので、業界のトレンドや最先端技術を調査・研究する場としても有効です。

大規模な国際見本市は、業界だけでなく地域経済に与える影響も大きいイベントです。経済発展の著しいアジア諸国では、見本市を開催する動きが活発になっており、今後は国を越えて出展者や来場者を集めるような見本市が増える傾向にあります。

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