初めての展示会出展!出展者として知っておきたい心得
どんなブースデザインをレイアウトにするか、多数の企業が集まる会場内でどう自社をアピールするか、来場者が足を止めたときどう対応するかなど、初めての展示会出展の際に知っておきたい心得を紹介します
来場者の視点に立つことが大事
出展者は、まず展示会の参加目的をはっきりさせることが大事です。初めて展示会に参加した企業が犯しやすいミスは、せっかくの機会だからと会社の理念から技術、商品まで目いっぱい説明する展示ブースを作ってしまうこと。「展示会なのだから、アピールするのは当然」と思われる方もいるかも知れません。確かに情報発信は大事ですが、来場者が何を求めているか考えて発信しないと、相手に情報は届きません。
来場者の多くは「情報収集」を目的に訪れており、会場に滞在する時間も限られています。つまり、短い時間に各ブースの情報を取捨選択しているのです。そういう相手に確認してもらうためには発信する情報を絞り込み、来場者の視点に立ってアピールをしなければなりません。
来場者目線のアピールとは?
自社製品や技術の特徴、メリットを詳しく丁寧に説明する展示はありがちですが、「自分達の言いたいこと」を並べているだけで、相手にどう役立つかの視点がありません。
「夜間の人員不足を解決する技術」「精度の高い金属加工をお求めなら!」など、「相手の欲求や問題解決」を意識したアピールで興味を引きます。
短い時間で伝えるためのセールストーク
展示ブースでは、忙しい来場者にわずかな時間で自社製品の強みなどを理解してもらわなければなりません。そのため出展者ができる方法として、コンパクトに要点をまとめた1分間のセールストークを準備し、来場者が足を止めたらすぐに情報を伝えられるようにしておきます。
1分間セールストークの構成
1分間のセールストークとして、伝える情報とそのトーク内容を秒数ごとにまとめると、理想は以下のような構成です。
- 10秒―企業名、担当名―私は「企業名」の「名前」と申します。
- 15秒―出展商品や技術とそれを使うことでできること―当社の「出展商品や技術」は、〇〇の「価値・利便」を提供しています。
- 25秒―独自性、ストーリー―なぜなら〇〇の「独自資源」による「強み」を持っています。
- 5秒―顧客に役立ちたいアピール―この「出展商品や技術」で、お客様のお役に立ちたいと思っています。
- 5秒―今後の連絡についてアポ―詳しくは後日技術担当(営業担当)からご説明に伺います。
トーク例
「こんにちは、サポートロボの山田と申します。当社「入浴介助ロボ」は、介護現場スタッフの負担軽減に役立つメカです。このメカは某大学理学療法学科と協力して開発しました。貴社の介護現場でお役に立てれば幸いです。詳しい説明は、技術担当の者からご連絡差し上げます」
展示会は終わってからが重要
展示会は「展示が目的」ではありません。開催最終日は終わりではなく、会場で獲得したホットリード(見込み客)へのアプローチを開始するスタート地点。会期中に名刺を交換した相手は、できればその日のうちに顧客名簿化し、後方支援者からお礼メールを送るという動きが理想です。展示会を成果に結びつけるためには、アフターフォローこそが本番ということを認識して行動しましょう。
継続して出展する
出展して一度で成果が出なかったとしても、「展示会に出ても効果がない」と決めつけるのは早計です。展示会・見本市に何度か出展することで、業界での認知度は上がって行きます。継続して出展することで業界のつながりも増え、そうしたつながりからビジネスが生まれるケースも少なくありません。
ビジネスを拡大したい企業にとって、展示会への出展は大きなチャンスです。初めてで分からないことがあったとしても、目的をはっきりさせてブレないように準備をして、次につなげる出展にしてください。